ピアノの処分にいくらかかるか。業者26社の公開料金と、自治体11市区の粗大ごみの扱い

万見編集部 /公開 2026年9月9日 /更新 2026年9月9日

ピアノの処分・引取・運送の料金を公開している業者26社の公式料金表と、11市区の粗大ごみページを確認しました。有料引取の起点料金は3万〜3.5万円、再生目的の無料引取もあり、自治体はいずれもピアノを収集していません。買取実績と並べて、処分を決める前の順序を整理します。

ピアノの処分にはいくらかかりますか

処分料金を公開している業者3社のアップライト(搬出・運搬込み)の起点料金は3万〜3.5万円、再生目的の無料引取も2社ありました(2026年9月9日、26社の公式料金表)。調べた11自治体はいずれも粗大ごみでピアノを収集していません。

売る前に

ピアノの査定を頼む前の確認リスト

第1表ピアノの処分・引取の公開料金(26件の集計)単位: 万円
種類・条件 下限(万円) 中央(万円) 上限(万円) レンジ(万円) 件数
有料引取・処分(業者3社)アップライト・搬出と運搬を含む起点料金 3 3 3.5 3
無料引取(再生目的の業者2社)アップライト・メーカーや状態の条件あり 0 0 0 2
運送のみ(ピアノ運送7社)アップライト・近距離・1階→1階 1.1 2.6 5.2 7
運送のみ(ピアノ運送6社)グランド・近距離・1階→1階 2.1 4.3 5 6

表は横にスクロールできます。 調査日 2026年9月9日 / 方法 処分業者・ピアノ運送業者・買取店の公式サイトの料金ページを閲覧し、掲載されている料金の下限を1社ずつ記録して集計 / 件数 合計26件(各行の件数はその区分に該当する件数) / 縦線は中央値。中央値は同じ区分の金額を並べた中央の値です。

調査日
2026年9月9日
件数
26件(全国(各社の対応地域は収集元に記載))
方法
処分業者・ピアノ運送業者・買取店の公式サイトの料金ページを閲覧し、掲載されている料金の下限を1社ずつ記録して集計
収集条件
公式サイトに金額を載せている社だけを行に入れ、「要見積」のみの社は件数に含めて行からは除いた。金額は各社の料金表の下限(起点料金)で、階段・クレーン・遠方などの追加料金は含めていない。運送の行は同一市内または拠点から40km以内など近距離の1階→1階の料金に限り、長距離・敷地内移動・調律とセットの料金は除いた。
出典
コーモド ピアノ処分カイテキ解体 ピアノの解体・処分ピアノワン ピアノ処分(有料引取)エプコ ピアノ引取りピアノ処分.com(100年商会) 無料引取アクティブリーズ 運送料金東洋ピアノ製造 配送料金ニシリク ピアノ運送立明 料金サッポロモリタ 運送料金総合ピアノサービス 料金表新日本ミュージック ピアノ移動
元データ
調査データの詳細とCSV

調べた11市区は、どこもピアノを粗大ごみで収集していない

調べた11市区はすべて「収集しない」で、手数料の設定もありません。奈良市から札幌市まで粗大ごみページを開き、ピアノの扱いを1つずつ記録した結果です。東京は世田谷区と新宿区の2区だけを調べています。

並べてみると、ページ上の区分と載っている場所がばらばらでした。名古屋市は「粗大ごみの分け方・出し方」ではなく「処理手数料の例」のページの排出禁止物一覧に、京都市は大型ごみのページではなく「その他市では収集できないごみ」という別ページにあります。粗大ごみの品目表だけを見て「載っていないから出せる」とは判断できません。相談先は、販売店・メーカー・専門業者のほか、大阪市は環境事業センター、新宿区は清掃事務所(専門業者を紹介)でした。

自治体ページ上の扱い出典(2026年9月9日確認)
奈良市大型ごみページの「処理困難物」に列挙奈良市 大型ごみ
大阪市「危険物・処理困難物」に列挙。環境事業センターへ大阪市
京都市「収集できないごみ」の一覧に列挙。専門業者へ相談京都市
神戸市FAQで収集不可。販売店・メーカーへ神戸市 FAQ
名古屋市処理手数料の例ページの「排出禁止物」に列挙名古屋市
横浜市粗大ごみFAQの「処理困難物」に列挙横浜市 粗大ごみFAQ
東京都世田谷区「収集不可品目」に列挙。販売店・メーカーへ世田谷区
東京都新宿区区では収集不可。清掃事務所が専門業者を紹介新宿区
札幌市分別辞典で「市で収集しないもの」。販売店へ相談札幌市 分別辞典
福岡市処理施設で受入不可。販売店か専門業者へ福岡市
仙台市ワケ方事典で区分「その他」。販売店・メーカー・専門業者へ相談仙台市 ワケ方事典

処分の料金を数字で出している業者は、26社のうち3社だった

第1表の1行目がその3社です。アップライトの搬出と運搬を含む起点料金で、3万〜3.5万円、中央値3万円。注記のとおり、不用品回収業者の合計目安が3.5万〜4.5万円、解体業者の解体なしの廃棄が3万円〜、買取店の買取不可時の有料引取が3万円〜(ヤマハ・カワイ以外)です。

集めてみて意外だったのは、26社の料金ページを開いて、処分そのものの金額が書いてあったのがこの3社だけだったことです。ピアノ運送の9社は移動の料金表だけを載せていて、処分・廃棄の料金はありません(第1表3行目に入れたのは近距離・1階→1階の料金がある7社で、残る2社の料金は敷地内移動や調律とセットのものだったため行から除いています)。買取店12社のうち、有料引取の金額を載せていたのは第1表1行目に入れた1社(ヤマハ・カワイ以外で3万円〜)だけで、残る11社は買取できない場合は有料引取になることがあると書くだけで、金額を載せていません。26社の最後の1社は、運送も処分も見積フォームのみです。

第1表の3行目と4行目はその運送の料金で、アップライトの近距離・1階→1階で7社が1.1万〜5.2万円(中央値2.64万円)、グランドで6社が2.09万〜5万円(中央値4.34万円)です。運ぶだけで中央値2.64万円かかり、処分の起点料金3万円との差は数千円で、並べてみると、処分料金の多くは運搬の代金と読めました。ただし運送7社と処分3社は別の業者で、処分側で内訳を載せていたのは不用品回収業者1社だけです(その内訳でも、搬出費のほうが処分費より大きい)。

運送の行の金額は、1階から1階へ運ぶ場合のものです。階段は1階ごとに5,000〜12,100円、クレーンは10,000〜13,200円の追加が運送各社の料金表にあります(第1表3行目の注記)。2階の部屋から出すなら、運送の料金にはこの分が乗ります。処分3社のうち追加額を書いていたのは不用品回収業者1社だけで、2階からのクレーン搬出や、クレーンが使えない5段以上の外階段では数万円の追加があるとしています(残る2社は追加額の記載なし)。

集計の弱点も書いておきます。どの行の金額も各社の料金表の下限で、実際の請求額は階数・搬出経路・距離・時期で上がります。処分の金額を出している社が3社しかないため、1行目の中央値は3つの金額の真ん中に過ぎません。

無料で引き取る2社は、再生して売れるピアノだけを引き取る

第1表の2行目、0円の2社です。どちらも引き取ったピアノを再生して販売する業者です。料金ページの記載では、1社はトラック代・運び出し・処分費を含めて0円、もう1社は壊れていても0円としています(2026年9月9日確認)。

条件がつき、1社はヤマハ・カワイのアコースティックピアノに限り(オルガンは不可)、ペットやネズミの被害があるものは対象外。もう1社はペダルが2本のものを除き、一部のメーカー・モデル・故障は引取不可、特殊作業やクレーン作業は無料の範囲外です。どちらも、メーカーや機種、状態によって引き取らない場合があると明記しています。条件は社ごとに違うので、片方から外れても、もう片方に当てはまることがあります

無料引取の条件に合うピアノは、買取店が値をつけているピアノと重なります。0円で渡す前に、次の項の数字を見てください。

同じ型番・同じ年代の中に、受け取る側と払う側の境目がある

境目は、1970年代製のヤマハU1Hの記録の中にありました。40年前のピアノの買取価格の第1表1行目(U1H・16件)は中央値7,000円、下限は2,000円で、同じ行の注記にある有料引取2件は、買取ではなく持ち主が5,000円を支払った取引です

この2件を見つけた日に、処分の料金を集めることに決めました。

同じU1Hの同じ1970年代製で、2,000円を受け取った人と、5,000円を払った人がいる。どちらに転ぶかは、型番と製造年だけでは分かりません。記録にも、2件を分けた理由は書かれていませんでした。

払う側になった場合の金額は、記録の種類で違います。実績ページにあった5,000円はヤマハU1H 2件の記録で、料金ページで公開されている買取不可時の有料引取はヤマハ・カワイ以外で3万円〜(第1表1行目の注記)、処分業者の起点料金も第1表で3万円からです。5,000円を有料引取の相場と読まないでください。自分のピアノがいくらになるかは、査定を頼んだときに聞くしかありません。

査定、無料引取の条件、有料処分の順に確かめる

査定を先に取り、値がつかないときだけ無料引取の条件と有料処分を順に確かめる
査定を先に取り、値がつかないときだけ無料引取の条件と有料処分を順に確かめる

最初に、買取店2社以上に査定を頼みます。型番・製造番号・搬出経路(階数と階段の幅)を同じ条件で伝えると、回答を横に並べて比べられます。値がつかなかった場合に引取や搬出の費用がかかるかどうかも、査定の前に聞いてください。

値がつかなければ、第1表2行目の無料引取2社の条件に当てはまるかを確かめます。前の項の条件(メーカー、ペダルの本数、故障や動物の被害)に、対応地域を加えて照らします。条件に合えば、引取と処分の料金は0円です。ただし1社はクレーン作業や特殊作業を無料の範囲外としていて、機種・状態によって引き取らない場合があることは2社とも明記しています。

どちらにも当てはまらなかったときに有料処分です。第1表1行目の起点料金3万〜3.5万円は追加料金を含まない下限なので、階段やクレーンが要る搬出なら、階数と搬出経路を同じ条件で伝えて、その分を含めた金額を2社以上に見積もってもらいます。

売る前に

ピアノの査定を頼む前の確認リスト

型番・製造番号・搬出経路。この3つを控えてから2社以上に聞くと、回答の幅が狭まります。

確認リストを見る

よくある質問

電子ピアノも粗大ごみに出せませんか

調べた11市区のうち神戸市のFAQには、70kg以下の電子ピアノ・電子オルガン・エレクトーンは大型ごみとして出せると書かれていました(2026年9月9日確認)。生ピアノは神戸市でも収集していません。他の10市区は電子ピアノの扱いを記録していないので、お住まいの自治体のページで確かめてください。

第1表の料金は税込ですか

税込・税別の表記は社によって違い、記載のない社もありました(2026年9月9日、26社の料金ページ)。第1表の金額は各社の表記のままで、税を足したり引いたりしていません。

グランドピアノの処分費用はいくらですか

処分の金額を出していた3社は、グランドの料金を分けて載せていません(1社は種類の区別なしの一律表記、2社はアップライトの金額のみ)。運送だけの料金は第1表4行目にあります。無料引取の2社は、1社がヤマハ・カワイのアコースティックピアノを対象とし、もう1社は種類を明記していないため未確認です。

万見編集部

料金の記録と集計は編集部が行いました。各社の料金表と自治体のページの数字・区分だけを記録し、表現は転載していません。

万見編集部は、買取店が公開している買取実績を1件ずつ記録し、集計期間・件数・出典を付けて相場を示します。買取店の集客支援を本業とし、店側の値付けの仕組みを知ったうえで、売る側に向けて書いています。

最終更新 2026年9月9日 / 数値確認 2026年9月9日 / 編集方針 / 誤りの指摘