ピアノの買取相場(買取実績108件の集計・機種と製造年別)

万見編集部 /公開 2026年9月4日 /更新 2026年9月9日

買取店が公開している買取実績108件を1件ずつ記録し、機種と製造年ごとに集計しました。同じアップライトでも、型番と製造年で中央値が22倍まで開きます。

ピアノの買取相場はいくらですか

ヤマハのアップライトは、1970年代製のU1Hが中央値0.7万円、U3Hが4.5万円、1980年代製のU3Aが15.3万円でした(公開実績108件を2026年9月に集計)。

売る前に

ピアノの査定を頼む前の確認リスト

第1表ピアノの買取実績(108件の集計)単位: 万円
種類・条件 下限(万円) 中央(万円) 上限(万円) レンジ(万円) 件数
アップライト ヤマハ U1H1972〜1979年製 0.2 0.7 1.8 16
アップライト ヤマハ U3H1972〜1980年製 0.8 4.5 7 22
アップライト ヤマハ U3A1983〜1990年製 12 15.3 18.5 24
グランド ヤマハ G3E1977〜1983年製 11 14 16 7
グランド ヤマハ G1E1991〜1992年製 41 42 42 3
グランド ヤマハ C3E1993年製 57 59 62 3
グランド ヤマハ C1X2015〜2024年製 110 110 115 3

表は横にスクロールできます。 調査日 2026年9月4日〜2026年9月9日 / 方法 買取店が公開している買取実績ページを閲覧し、掲載されている取引を1件ずつ記録して集計 / 件数 この表は78件(収集した実績は合計108件)(各行の件数はその区分に該当する件数) / 縦線は中央値。中央値は同じ区分の実績を金額順に並べた中央の値です。

調査日
2026年9月4日〜2026年9月9日
件数
108件(全国(出張買取。所在地の記載があるものは全国各地))
方法
買取店が公開している買取実績ページを閲覧し、掲載されている取引を1件ずつ記録して集計
収集条件
2026年9月9日時点で収集元の4ページに掲載されていた実績を全件(108件)記録した(買取日は2025年5月〜2026年8月)。機種と製造年帯で分け、同じ区分に3件以上の実績があるものだけを行にした。「買取価格 5,000円(有料引取費用)」と掲載されていた2件は、持ち主が費用を支払う取引で買取価格ではないため、件数には含めたが行の金額からは除いた。
出典
ピアノワン ヤマハU1H 買取実績ピアノワン ヤマハU3H 買取実績ピアノワン ヤマハU3A 買取実績ピアノワン グランドピアノ 買取実績
元データ
調査データの詳細とCSV

同じアップライトで中央値が22倍まで開く

第1表の上3行は、すべてヤマハのアップライトピアノです。それでも中央値は、U1H(1970年代製)が0.7万円、U3H(同じく1970年代製)が4.5万円、U3A(1980年代製)が15.3万円と並びます。上と下で22倍の差です。

効いている要素は2つだけです。型番と製造年。U1HとU3Hは同じ年代ですが、本体の高さが10cm違います(U1系121cm、U3系131cm)。U3HとU3Aは同じU3系ですが、製造年が10年違います。この2つで価格帯がほぼ決まります

どちらも査定を頼む前に自分で確認できます。型番は鍵盤蓋の内側、製造番号はフレーム上部です。

U1系とU3系の高さの差は10cm。実績では中央値が7倍以上違った
U1系とU3系の高さの差は10cm。実績では中央値が7倍以上違った

製造年の境目はどこにあるか

集計した実績では、1980年代前半を境に価格帯が分かれていました。U3系で見ると、1970年代製(U3H)は22件中21件が6万円以下、1983年以降(U3A)は24件中22件が13万円以上です。境目をまたぐと価格帯が重なりません

理由は中古ピアノの流通にあります。製造から40年を超えると、内部の部品交換を前提にした再生が必要になり、その費用が買取価格から引かれます。ただし年式だけで決まるわけではなく、同じ1985年製のU3Aでも12.5万円から18.5万円まで開いていました。

製造年は本体の中の鋳鉄フレーム上部、または鍵盤蓋の裏にある製造番号から分かります。査定を頼むときに製造番号を伝えると、回答の幅が狭まります。

グランドピアノの実績

第1表の下4行はグランドピアノです。ヤマハG3E(1977〜1983年製)は11万〜16万円で、同時期のアップライトU3Aより低い実績でした。グランドだから高いとは限りません

一方でC3E(1993年製)は57万〜62万円と、3件とも安定していました。2015年以降製のC1Xは110万〜115万円で、1970年代のG3Eとは桁が違います。年式で価格帯が決まる傾向は、グランドの方がはっきり出ていました。

掲載されている相場表を読むときの注意

今回、複数の買取店の実績を集める過程で分かったことがあります。同じ機種でも、掲載されている実績の期間によって数字がまったく違いました。

ヤマハU3Hの場合、ある店の直近1年あまり(2025年7月〜2026年8月)の実績22件は8,000円〜70,000円でした。別の店が掲載している2015年〜2024年の実績39件は20,000円〜150,000円です。期間が違うので単純比較はできませんが、古い実績を含んだ相場表を見て期待値を作ると、実際の査定額との差に驚くことになります。

もう1つ、正直に言うと集めていて驚いたことがあります。同じ期間でも、店が違えば中央値が2倍近く違いました。 別の買取店が47都道府県のページで公開している実績335件を同じ方法で記録したところ(調査データ 2)、ヤマハU3H(1973〜1980年製)は24件で4.6万〜10.7万円・中央値8.6万円、U1H(1972〜1980年製)は36件で1.5万〜6万円・中央値3.2万円でした。第1表の店(U3H 中央値4.5万円、U1H 中央値0.7万円)とは、同じ型番・同じ年代で差があります。どちらが正しいという話ではなく、掲載のしかた(運送費の扱い、載せる取引の選び方)が店ごとに違うということです。型番別の詳しい比較はヤマハU3の買取価格に分けました。

相場を調べるときは、次の3つが書かれているかを確認してください。

  • いつの取引か(集計した期間)
  • 何件を集計したか(件数)
  • 買取価格か、査定の見積もりか

この3つが書かれていない数字は、参考にする前に出典をたどる必要があります。

売る前に確認すること

  • 製造番号を控える(フレーム上部、または鍵盤蓋の裏)
  • 搬出経路(階数・階段の幅・エレベーターの有無)を先に伝える。集計した実績には「戸建て2階」「マンション」の記載があり、搬出条件は査定に影響します
  • 状態を正直に伝える。実績には「白鍵の変色」「ペダルが機能しない」「カビ」といった記載があり、それでも買取は成立しています
  • 2社以上に同じ条件で聞く。同じ機種・同じ年式でも実績には幅があります
  • 値段がつかない場合の搬出費用を、査定前に確認する

処分を考える前に

自治体の粗大ごみでピアノを引き取る例は多くありません。処分業者に頼むと費用がかかります。今回集計した実績では、1972年製・カビありの個体でも8,000円で買取が成立していました。処分を決める前に、買取の査定を取ってください。

ピアノの相場をさらに詳しく

売る前に

ピアノの査定を頼む前の確認リスト

型番・製造番号・搬出経路。この3つを控えてから2社以上に聞くと、回答の幅が狭まります。

確認リストを見る

よくある質問

相場表と実際の買取価格が違うのはなぜですか

相場表の多くは、いつ・何件の取引を集計したものか書かれていません。今回集めた実績でも、同じヤマハU3Hが直近1年では0.8万〜7万円、別の店が載せている2015〜2024年の実績では2万〜15万円でした。期間が違えば数字も変わります。相場表を見るときは、集計した期間と件数が書かれているかを確かめてください。

0円と言われることはありますか

集計した108件のうち買取として成立していたのは106件で、その中に0円はなく、最も低い実績は2,000円(1970年代製のU1H)でした。残る2件は買取ではなく、持ち主が5,000円を支払う有料引取として載っていました。買取店は成立した取引を載せるため、0円だった案件は実績として掲載されにくいことにも注意してください。

査定だけ頼んで売らなくてもよいですか

はい。業者が自宅に来て買い取る「訪問購入」では、消費者が査定だけを頼んだ場合、業者は買取契約の勧誘をしてはいけません(特定商取引法58条の6第1項)。規制の対象外になる品目(自動車・家具・家電など)の例示にピアノは含まれておらず、契約後も書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます(同法58条の14)。

万見編集部

買取実績の記録と集計は編集部が行いました。表現は転載せず、型番・製造年・状態の記載・金額・日付のみを記録しています。

万見編集部は、買取店が公開している買取実績を1件ずつ記録し、集計期間・件数・出典を付けて相場を示します。買取店の集客支援を本業とし、店側の値付けの仕組みを知ったうえで、売る側に向けて書いています。

最終更新 2026年9月9日 / 数値確認 2026年9月9日 / 編集方針 / 誤りの指摘