既婚者向けマッチングアプリ
既婚者マッチングアプリは違法?不貞行為と慰謝料の線
萬見編集部 /公開 2026年10月28日 /更新 2026年10月28日 /確認 2026年10月28日
アプリを使うこと自体は、違法ではない
既婚者向けのマッチングアプリが気になっている。ただ、使っただけで何か法律に触れるのか、どこからが問題になるのかが分からない。
萬見は、既婚者向けマッチングアプリに関わる法律を、条文と最高裁判所の公開資料から2026年10月28日に整理しました。最初に結論を書くと、アプリを使うこと自体を罰する法律はありません。
| 法律 | 決まり | 誰に関わるか |
|---|---|---|
| 出会い系サイト規制法 | 公安委員会への届出(7条)、児童の利用禁止の明示(10条)、年齢確認(11条) | 運営会社 |
| 民法770条1項1号 | 配偶者の不貞な行為は離婚の訴えの理由 | 夫婦 |
| 民法709条・710条 | 不法行為の損害賠償(慰謝料を含む) | 不貞行為をした人とその相手 |
出会い系サイト規制法は、異性を紹介するネットの事業を届出制にし、18歳未満の利用を防ぐための法律です。利用者の大人がアプリを使うことを罰する決まりではありません。
同じ法律の2条は、18歳に満たない人を「児童」としています。だから、どのサービスも18歳未満は登録できず、メッセージの前に公的な身分証で年齢を確かめています。高校生は18歳でも使えないと規約に書くサービスもありました(Healmate・既婚者クラブ・既婚マッチ ほか)。
問題になるのは、肉体関係
民法770条1項1号は、「配偶者に不貞な行為があったとき」を離婚の訴えの理由に挙げています。また、不貞行為で配偶者に精神的な苦痛を与えると、民法709条・710条の不法行為として慰謝料を請求されることがあります。
最高裁の判決で不貞行為として争われてきたのは、主に配偶者以外との肉体関係です。令和8年6月5日の最高裁判決も、相手と肉体関係を持つまでの事情をもとに、過失があったかを論じていました。
アドバイス
自分がどこまでのつもりかを、先に決めよう
アプリの使い方は人それぞれです。話し相手がほしいのか、それ以上なのかを先に決めておくと、相手との行き違いも、法律の心配も減らせます。
慰謝料は、誰が誰に請求できるか
配偶者は、不貞行為をした自分の配偶者と、その相手の両方に慰謝料を請求できます。ただし、相手の責任には条件があります。
夫婦関係がすでに壊れていたとき
最高裁は平成8年3月26日の判決で、肉体関係を持ったときに婚姻関係が既に破綻していたなら、特段の事情の無い限り、相手は不法行為の責任を負わないとしました。破綻していたかどうかは、裁判所が事実から判断します。
相手が「破綻している」と信じていたとき
令和8年6月5日の最高裁判決は、相手が「婚姻関係が破綻していたと信じ、そう信じたことに相当の理由があったか」を検討せずに過失を認めた高等裁判所の判断を、違法として差し戻しました。この事件では、相手は離婚届を見せられ、家計を別にする提案のメールのやり取りも見せられていました。
離婚の慰謝料は、原則として相手に請求できない
最高裁は平成31年2月19日の判決で、不貞行為の相手に離婚そのものの慰謝料は原則として請求できないとしました。例外は、相手が夫婦を離婚させるつもりで不当に干渉したなどの特段の事情があるときです。不貞行為そのものの慰謝料とは、別の請求として扱われます。令和8年6月5日の判決の補足意見も、この2つの慰謝料は訴訟で求めるものが違うと整理していました。
アプリの規約に書いてあること
各社も、規約や公式サイトで線を引いています。既婚者クラブは「当サービスは不倫(不貞行為)を推奨するものではありません」と書き、Afternoon. は「不倫の出会いを目的としたサービスではありません」と書いていました。カドルと Anemone も、規約で性的な関係を助長しないと書いています。
既婚者であることを条件にするサービスもあります。Afternoon. は規約で法律上の婚姻をしていることを条件にし、Healmate は既婚者と確認できない場合は強制退会と書いていました。サービスごとの料金と届出は既婚者向けマッチングアプリのおすすめは?にまとめています。
困ったときの相談先
慰謝料を請求された、または請求したいときは、法律の専門家に相談しよう。法テラス(日本司法支援センター)や各地の弁護士会が、法律相談の窓口を開いています。
相談するときは、いつ・誰と・何があったかを、メッセージの記録や日付と一緒にまとめておくと話が早く進みます。アプリのメッセージは、退会すると見られなくなることがあるので、必要なら退会の前に控えておこう。
アドバイス
請求の書面が届いたら、すぐに返事をしない
内容証明などで慰謝料の請求が届いたら、その場で認めたり払ったりせず、まず専門家に見せよう。期限が書いてあっても、相談してから返事をして遅くないことが多いです。
既婚者向けマッチングアプリを使うのは、違法ですか
アプリを使うこと自体を罰する法律はなく、事業は公安委員会への届出制です。ただし配偶者以外と肉体関係を持つと、民法709条の不法行為として慰謝料を請求されることがあります。線を知ってから使おう。
金額は中央値です。売れた金額を安い順に並べて、ちょうど真ん中にあたる金額のことで、平均より実際に多い金額に近くなります。 いつ・何件・どこから集めたかは記事の終わりの※1にあります。
料金と届出を見る
既婚者向けマッチングアプリの料金表
9サービスの男女の料金と、インターネット異性紹介事業の届出番号を、公式の表示どおりに並べています。
よくある質問
マッチングアプリで会って食事をするだけでも、不貞行為になりますか
裁判所の判決で不貞行為として争われてきたのは、主に肉体関係です。令和8年6月5日の最高裁判決も、肉体関係を持ったことを前提に過失を論じています。ただ、事情によって判断は変わるので、心配なら弁護士に相談しよう。
慰謝料を請求されるのは、相手だけですか
配偶者は、不貞行為をした自分の配偶者と、その相手の両方に請求できます(民法709条・710条)。相手が既婚者だと知らなかった、または知らなかったことに過失がなければ、相手は責任を負わないことがあります。
夫婦関係がもう壊れていれば、責任はありませんか
最高裁は平成8年3月26日の判決で、肉体関係を持ったときに婚姻関係が既に破綻していれば、特段の事情の無い限り相手は責任を負わないとしました。ただし破綻していたかは裁判所が事実から判断します。
困ったときは、どこに相談できますか
法テラス(日本司法支援センター)の窓口や、各地の弁護士会の法律相談があります。慰謝料を請求された・したいときは、書面や記録を持って早めに相談しよう。
注記
※1第1表の数字について
- 調査日
- 2026年10月28日
- 件数
- 159件(日本(各社の公式サイト))
- 方法
- 各サービスの公式サイトの料金ページ・特定商取引法に基づく表記・利用規約・トップページを開き、男女別・プラン別・期間別の金額と、届出の受理番号、年齢確認の方法、自動更新・解約・返金の決まりを記録した。比較サイト・体験談・ランキング記事は使っていない。登録・ログインはしていない
- 収集条件
- 行は、各サービスのいちばん安いプランの1か月の通常の価格と、12か月プランの月あたりを1件ずつ取り、その最小と最大を出した(n はサービスの数)。既婚者専用でない marikon と、キャンペーンの価格は行に入れていない
- 表の読み方
- 金額は公式の表示どおりです。税込の表記が無いサービスがあります(Afternoon.・既婚リンク・Anemone・マリーゴー・marikon)。女性はどのサービスも基本の機能が無料です。どのサービスも18歳未満は利用できません。
- 出典
- Healmate 公式、Healmate 公式、カドル 公式、カドル 公式、既婚者クラブ 公式、既婚者クラブ 公式、Afternoon. 公式、Afternoon. 公式、既婚マッチ 公式、既婚マッチ 公式、既婚リンク 公式、既婚リンク 公式、Anemone 公式、Anemone 公式、マリーゴー 公式、マリーゴー 公式、marikon 公式、marikon 公式、e-Gov 法令検索(デジタル庁) インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(平成十五年法律第八十三号)、警察庁 出会い系サイト規制法(なくそう、子供の性被害。)、警察庁 出会い系サイト規制法施行規則、e-Gov 法令検索(デジタル庁) 民法 709条・710条・770条、最高裁判所(令和8年6月5日判決の補足意見での引用で確認) 最高裁 平成5年(オ)第281号 平成8年3月26日 第三小法廷判決(民集50巻4号993頁)、最高裁判所(裁判例検索) 最高裁 平成29年(受)第1456号 平成31年2月19日 第三小法廷判決(民集73巻2号187頁)、最高裁判所(裁判例検索) 最高裁 令和7年(受)第933号 令和8年6月5日 第二小法廷判決(破棄差戻)、独立行政法人国民生活センター 「愛してるから投資して」っておかしくない!?−マッチングアプリ等で知り合った人に騙されないためのチェックリスト−、独立行政法人国民生活センター ロマンス投資詐欺が増加しています!−その出会い、仕組まれていませんか?−、警察庁 令和7年8月末における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)、警察庁 令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)、消費者庁 マッチングアプリをきっかけに、コンサルティング契約の勧誘をし、消費者金融業者での高額な借入れをさせて支払わせる事業者に関する注意喚起
- 元データ
- 調査データの詳細とCSV
調査から半年以上が経過しています。相場が変わっている可能性があります。
根拠にした資料
- 確認日
- 2026年10月28日(この日に各資料の内容を確かめました)
- 根拠
- ※1の調査データのほかに、本文で引いた資料です。
- 資料
- e-Gov 法令検索 民法(709条・710条・770条)
e-Gov 法令検索 インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律
最高裁判所 平成31年2月19日 第三小法廷判決(平成29年(受)第1456号)
最高裁判所 令和8年6月5日 第二小法廷判決(令和7年(受)第933号)
条文は e-Gov 法令検索、判決は最高裁判所の裁判例検索のページで、2026年10月28日に確かめました。平成8年3月26日の判決は、令和8年6月5日の判決の補足意見の引用で確かめています。この記事は法律の一般的な説明で、個別の事件の相談の代わりではありません。 最終更新 2026年10月28日 / 数値確認 2026年10月28日 / 編集方針 / 誤りの指摘