脱毛の契約
脱毛サロンが倒産したら、払ったお金は戻る?
萬見編集部 /公開 2026年10月9日 /更新 2026年10月9日 /確認 2026年10月9日
倒産・閉店した脱毛サロンとクリニック
通っている脱毛サロンが、ある日突然閉まった。残りの回数分は払ってある。ローンの請求も、まだ届いている。 これから契約する人も、同じことが起きたらどうなるかを知っておきたいところです。
2022年から2025年に倒産・閉店した主な脱毛サロンとクリニックを、破産管財人と会社の告知から並べました。
| ブランド | 起きたこと | 払ったお金と施術 |
|---|---|---|
| 脱毛ラボ | 2022年8月 破産手続開始 | 施術なし。配当の見込みは立たないと告知 |
| キレイモ | 2022年10月 28店を他社が譲り受け | 2022年12月まで、月1万件を上限に無料で施術 |
| シースリー | 2023年9月 破産手続開始 | 2025年2月、配当なしで手続が終了 |
| 銀座カラー | 2023年12月 破産手続開始・全店閉鎖 | 返金なし。施術の引き継ぎ先なし |
| 恋肌 | 2023年で営業終了 | 提携のクリニックでの施術を案内 |
| アリシアクリニック | 2024年12月 破産手続開始 | 返金は「極めて難しい」と管財人 |
| トイトイトイクリニック | 2025年2月 破産手続開始 | 配当は見込まれないと管財人 |
| ミュゼプラチナム(旧運営会社) | 2025年8月 破産手続開始 | 返金なし。新しい運営会社で旧契約は受けられない |
銀座カラーの契約中の会員は9万9,856名、アリシアクリニックの債権者は9万1,818名と報じられています(東京商工リサーチ)。破産したサロンに前払いしたお金は、ほとんど戻っていません。 消費者委員会の資料(2024年3月18日)では、国民生活センターに寄せられた脱毛エステの相談は2022年度に19,125件で、そのうち倒産に関するものが6,786件でした。
アドバイス
閉まったら、まず管財人のサイトを見よう
破産したサロンは、管財人(弁護士)が告知のサイトを開くことが多い。施術の引き継ぎ、届出が要るか、クレジットの扱いが、そこに書かれる。噂や SNS より先に、管財人の告知を読もう。
現金で払った分は、配当でしか戻らない
会社が破産すると、未施術分を返してほしいという権利は「破産債権」になり、破産手続の配当でしか受け取れません(破産法100条)。配当は税金や給料などが先で、残りがあるときだけです。 上の表の6件の破産では、管財人はいずれも配当の見込みが立たないと告知しています。シースリーは、手続の費用も賄えないとして2025年2月に手続が打ち切られ、会員への配当はありませんでした。
破産の前に解約やクーリング・オフを申し出ていても、返金の請求は同じく破産債権になると、銀座カラーとトイトイトイクリニックの管財人は説明しています。現金の一括前払いは、倒産したときに守られない払い方と考えておこう。
ローンやカードの分割なら、残りの支払いを止められることがある
サロンとの契約と、信販会社やカード会社との契約は別です。サロンが倒産しても、ローンの請求は自動では止まりません。 割賦販売法は、サロンの事情(倒産で施術を受けられないなど)を理由に、信販会社やカード会社への残りの支払いを止められると定めています(支払停止の抗弁、30条の4・30条の5)。
使えるのは、支払総額4万円以上(リボ払いは3万8千円以上)の分割払いやローンです。翌月一括払いは対象外です。止められるのはこれからの支払いで、払った分は戻りません。 有償の回数をもう使い切っているときなどは、認められないことがあります(ミュゼの旧運営会社の管財人、消費者委員会の資料)。
倒産したときの手順
- 管財人か会社の告知を読み、施術の引き継ぎと届出の要否を確かめる
- 信販会社・カード会社に、支払停止の抗弁を申し出る(書面が一般的)
- 残りの回数がわかる画面や契約書を残す。ミュゼの旧運営会社の管財人は、アプリの「契約コース一覧」の残り回数が信販会社の請求の基準になると案内しています
- 話が進まないときは、消費者ホットライン188に相談する
抗弁に解約は要らないと、銀座カラー・シースリー・ミュゼの管財人は説明しています。一方で、何もせずに引き落としの口座を空にすると、延滞として扱われることがあります(アリシアクリニックの管財人)。止まるまでは、信販会社とのやり取りを記録しておこう。
契約の前に確かめること
特定商取引法は、5万円を超える前払いを受けるサロンに、前受金の保全措置(倒産しても前払い分を返せる仕組み)があるかどうかを、契約前の概要書面と契約書面に書かせています(施行規則92条・93条)。ただし書く義務で、保全措置そのものの義務ではありません。消費者委員会の資料は、保全措置を確保している事業者は少ないとしています。
同じく5万円を超える前払いを受けるサロンは、貸借対照表などの財務書類を備え置き、客が求めれば見せる義務があります(45条)。 中途解約の手数料には上限があり、施術を始めた後はエステが2万円か残額の1割の低い方、美容医療は5万円か残額の2割の低い方です(施行令の別表第四)。
アドバイス
契約の日に、2つだけ聞こう
「前受金の保全措置はありますか」「財務書類を見せてください」。答えがあいまいなら、一括の前払いではなく、都度払いや月払い、抗弁の使える分割払いを選ぼう。
サロンとクリニックの運営会社と口コミは、男性は脱毛(メンズ)、女性は脱毛(女性)の一覧に、公式サイトの記載どおりに載せています。運営会社が移り変わったブランドは脱毛サロン・クリニックの運営会社はどこ?に、行政処分は脱毛サロンの行政処分は?にまとめています。
脱毛サロンが倒産したら、払ったお金は戻りますか
現金の前払いは、配当でしか戻りません。2022〜2025年の破産の例では、管財人はいずれも配当の見込みが立たないと告知しています。ローンやカードの分割払いなら、残りの支払いを止められることがあります。
気になったら
脱毛の契約がいくらになるか、無料で査定だけ頼めます
査定だけ頼んで売らなくてもかまいません。多くの店が査定料とキャンセル料を無料と書いています。頼む前に、型番・製造番号・搬出経路の3つを控えておくと、回答の幅が狭まります。
よくある質問
倒産したサロンの施術を、別のサロンで受けられますか
引き継ぐ会社が現れたときだけです。キレイモは2022年に28店を他社が譲り受け、シースリーは施術の一部だけを別の会社が引き継ぎました。銀座カラーやアリシアクリニックのように、引き継ぎ先が無い例もあります。
一括で現金払いした分は戻りますか
破産した会社への返金の請求は、破産手続の配当でしか受け取れません(破産法100条)。2022〜2025年の6件の破産では、管財人はいずれも配当の見込みが立たないと告知し、シースリーは配当なしで手続が終わりました。現金の一括前払いは、契約の前によく考えよう。
クレジットの支払いは、どうすれば止まりますか
信販会社やカード会社に「支払停止の抗弁」を申し出ます。支払総額4万円以上(リボ払いは3万8千円以上)の分割払いが対象で、翌月一括払いは対象外です。自動では止まらないので、自分で申し出よう。
抗弁を申し出るのに、解約は必要ですか
銀座カラー・シースリー・ミュゼの3社の管財人は、支払停止の抗弁に中途解約は要らないと説明しています。何もせずに引き落としの口座を空にすると、延滞として扱われることがあります(アリシアクリニックの管財人)。止まるまでは、信販会社とやり取りを続けよう。
倒産しそうなサロンかどうか、契約前に分かりますか
5万円を超える前払いを受けるサロンには、財務書類を店に置いて客に見せる義務があります(特定商取引法45条)。契約書面には、前受金の保全措置の有無も書かれます。見せてもらえないときや保全措置が無いときは、一括の前払いを避けよう。
注記
根拠にした資料
- 確認日
- 2026年10月9日(この日に各資料の内容を確かめました)
- 根拠
- 法令の条文と官公庁のページだけを根拠にしています。民間サイトの説明は使っていません。
- 資料
- 消費者委員会 第426回本会議 資料1 脱毛エステにおける倒産トラブル(2024年3月18日)
株式会社エム・シーネットワークスジャパン(銀座カラー)破産管財人 脱毛サロン利用者向けQ&A
MPH株式会社(ミュゼプラチナムの旧運営会社)破産管財人 サービスご利用者様へのQ&A
医療法人社団雪焔会(トイトイトイクリニック)破産管財人ウェブサイト
千葉市消費生活センター アリシアクリニック(旧:じぶんクリニック含む)の破産について
GFA株式会社 臨時報告書(2022年9月29日。キレイモ事業の一部の譲受け)
恋肌 公式サイト インフォメーション(2023年で営業終了の告知)
e-Gov 法令検索 割賦販売法(第30条の4・第30条の5)
e-Gov 法令検索 特定商取引に関する法律施行規則(第92条・第93条)
東京商工リサーチ 2023年12月18日 銀座カラーの破産時の会員数(報道)
倒産・閉店の扱いは、破産管財人のサイト、会社とクレジット会社の告知、EDINET の開示を、編集部が2026年10月9日に1つずつ開いて記録しました。会員数・負債額は東京商工リサーチの報道で、報道と明記しています。条文は e-Gov 法令検索の原文から引きました。個人名は載せていません。この記事に広告は載せていません。 最終更新 2026年10月9日 / 数値確認 2026年10月9日 / 編集方針 / 誤りの指摘