シミ取り / 制度

肝斑の飲み薬は保険が効く?市販薬と処方の違い

萬見編集部 /公開 2026年10月15日 /更新 2026年10月15日 /確認 2026年10月15日

医療用の飲み薬に、肝斑の効能は無い

肝斑にはトラネキサム酸の飲み薬が効くと知った。皮膚科で保険で出してもらえるのか、ドラッグストアの薬と何が違うのか、どちらで始めればいいのかが分からない。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)に載っている添付文書で、承認された効能を並べました。

薬承認された効能と承認の状況肝斑の保険
トラネキサム酸(医療用の飲み薬)出血しやすい状態や異常な出血、湿疹・じんましん・薬疹などの赤み・腫れ・かゆみ、扁桃炎などののどの痛み、口内炎効能に肝斑が無い
トラネキサム酸の市販薬(第1類医薬品)しみ(肝斑に限る)市販薬なので保険は無い
ハイドロキノン(塗り薬)医療用医薬品に無い無い
トレチノイン(塗り薬)塗り薬の承認は無い(承認は白血病の一種の飲み薬だけ)無い

医療用のトラネキサム酸を肝斑のために出すのは、承認された効能の外の使い方(適応外)です。肝斑への処方は、保険でなく自由診療になります。肝斑の効能が書かれているのは、ドラッグストアで買う第1類医薬品のほうです。

院のサイトに「厚生労働省の承認を得た薬」と書かれていても、その承認の効能に肝斑が入っているかは別の話です。院で飲み薬を出してもらうときは、保険か自費かを会計の前に聞いておこう。

学会の推奨は強い。承認と保険は無い

薬形成外科診療ガイドラインの推奨承認と保険
トラネキサム酸の飲み薬1B(強い推奨・中程度の根拠)医療用は効能に肝斑なし
ハイドロキノン4%の塗り薬1A(強い推奨・強い根拠)医療用医薬品に無い
トレチノインの塗り薬1A(強い推奨・強い根拠)塗り薬の承認なし

形成外科診療ガイドライン(2021年版)は、3つとも肝斑に強く勧めながら、どれにも「保険適用外」の印を付けています。調べて並べると、推奨の強さと、承認・保険の有無は別の物差しだと分かります。

5学会でまとめた美容医療診療指針も、トラネキサム酸が肝斑に有効だったという報告を挙げています。レーザーや光の治療は、遮光と塗り薬・飲み薬で十分な効果が出ないときの併用です(推奨度2)。肝斑では、薬がレーザーより先に来ます。薬を選ぶときは、推奨の強さと、承認・保険の有無の両方を見て決めよう。

市販薬と、院の処方の違い

項目市販薬(第1類)院の処方
効能しみ(肝斑に限る)効能の外の使い方(適応外)
1日の量調べた添付文書では4錠でトラネキサム酸750mg。ビタミンCなども入る院が決める
続けて飲む期間2か月を超えて続けない医師が決める
受け取り方薬剤師から書面で説明を受けて買う診察を受けて処方

第1類医薬品は、薬剤師が販売し、書面で説明する決まりの薬です(医薬品医療機器等法36条の9・36条の10)。医療用の添付文書にある量(1日750〜2,000mg)は、出血や湿疹などの効能に対するもので、肝斑のための量は書かれていません。

市販薬の添付文書は、15歳未満の人と透析を受けている人は飲まないよう書いています。血栓症のある人や起こすおそれのある人(経口避妊薬やホルモン補充療法を使っている人など)、55歳以上の人、妊娠中・授乳中の人は、飲む前に医師か薬剤師に相談するよう書いています。医療用の添付文書にも、血栓のある患者は血栓を安定化するおそれがあるという注意があります。

アドバイス

ピルや血栓の心配があるなら、先に伝えよう

トラネキサム酸は、血栓を溶けにくくする成分だ。経口避妊薬やホルモン補充療法を使っている、血栓症にかかったことがある、家族にいる。どれかに当てはまるなら、市販薬でも処方でも、飲む前に医師か薬剤師に伝えよう。

院で自費の処方を受けるとき

全国チェーンの院の公式の税込表示では、シミ・肝斑の飲み薬は1か月分で3,300円〜6,600円でした(30日分・1か月分と量を書いている4院、2026年10月15日)。中身は院ごとに違い、ほかの成分とのセット(30日分5,500円)や、1日の量で750mgは4,180円・1,000mgは5,280円・1,500mgは8,360円と3段に分ける院もあります。全件は調査データにあります。

適応外の薬を自由診療で使う院には、厚生労働省の医療広告等ガイドラインが、次の5つを説明するよう求めています。Q&A(Q2-14)は、適応外の使い方も未承認の薬と同じ扱いとしています。

  1. 未承認医薬品等(適応外を含む)であること
  2. 入手の経路
  3. 国内で承認された同じ成分などの薬の有無
  4. 海外での安全性などの情報
  5. 医薬品副作用被害救済制度の対象外であること

PMDAの救済制度は、薬の使用目的や方法が適正と認められない場合を対象外にしています。5つの説明があるかを、診察のときに確かめよう。

アドバイス

処方の前に、何日分でいくらかを聞こう

院の値段は、30日分・1か月分のほか、量の記載が無いセットもある。何日分で、1日に何をどれだけ飲むのか、5つの説明があるかを聞いて、書面かメモで残しておこう。

市販薬で始めるか、皮膚科に行くか

単一の正解はありません。決め手は、肝斑だと分かっているかと、血栓のリスクです。

まだ肝斑と分かっていない

肝斑は診断が難しく、ほかのシミと混ざることも多いと、美容医療診療指針は書いています。市販薬の添付文書も、色が黒ずんで色むらがあり、盛り上がったようなしみがあるときは、皮膚科医に相談するよう書いています。まず皮膚科で、どの種類かを診てもらおう。

肝斑と言われ、血栓のリスクが無い

市販薬で始めるのも1つの方法です。2か月を超えて続けない決まりを守り、飲み始めた日を控えておこう。

量や塗り薬も、医師と決めたい

院の自費の処方なら、飲み薬の量や塗り薬との組み合わせを医師と決められます。1か月の費用と5つの説明を確かめてから始めよう。

レーザーの回数とリスクは肝斑のレーザーの記事に、シミと肝斑の見分け方はシミと肝斑の違いにまとめています。この記事に広告は載せていません。

この記事の結論

肝斑の飲み薬は、保険で出してもらえますか

肝斑のためには出ません。医療用のトラネキサム酸の効能に肝斑は無く、肝斑への処方は自費です。肝斑の効能があるのは第1類の市販薬で、2か月を超えて続けて飲まない決まりです。院の処方は4院の表示で1か月3,300円〜6,600円でした。

金額は中央値です。売れた金額を安い順に並べて、ちょうど真ん中にあたる金額のことで、平均より実際に多い金額に近くなります。 いつ・何件・どこから集めたかは記事の終わりの※1にあります。

医師に相談するなら

美容皮膚科を地域から探す

医療情報ネットに美容皮膚科を届け出ている全国の院の場所と診療時間です。口コミのページに広告は載せていません。

よくある質問

市販薬は、どれくらい飲み続ければいいですか

添付文書は、効果の目安として1か月ほどは飲み、2か月を超えて続けて飲まないよう書いています。やめた後にまた出てきたら飲み直せますが、再開までに最低2か月あけ、再開後も2か月を超えて続けないことになっています。飲み始めた日を、カレンダーに書いておこう。

院の処方と市販薬を、一緒に飲んでもいいですか

市販薬の添付文書は、飲んでいる間はトラネキサム酸を含むほかの飲み薬を飲まないよう書いています。院で処方を受けているなら市販薬を足さず、市販薬を飲んでいるなら診察で伝えよう。

副作用はありますか

市販薬の添付文書は、発疹・かゆみ、吐き気・食欲不振・胸やけ、動悸、頭痛・めまいなどが出たら、飲むのをやめて医師か薬剤師に相談するよう書いています。激しい頭痛、10分以上続く胸の痛み、突然の息切れ、片足のふくらはぎの痛みやむくみは、血栓症の初期症状の例として挙がっています。こうした症状が出たら、すぐに医師に診てもらおう。

肝斑は、薬だけで良くなりますか

美容医療診療指針は、肝斑の対処では遮光が欠かせず最も重要だとし、そのうえで美白剤や飲み薬を使うとしています。肝斑は、良くなったり悪くなったりを繰り返す治りにくい色素の病気とも書いています。薬と日焼け止めを続け、足りなければレーザーの併用を医師と相談しよう。

肝斑の薬代は、医療費控除の対象になりますか

国税庁は、治療や療養に必要な薬の購入費を医療費控除の対象とし、病気の予防や健康増進のための薬は対象にならないとしています(タックスアンサー No.1122)。肝斑の薬がどちらに当たるかは、目的で変わります。迷ったら、税務署に確認しよう。

注記

※1第1表の数字について

調査日
2026年10月15日
件数
165件(全国(各院の料金ページの表示))
方法
シミ・肝斑の自由診療を出している全国チェーンの美容クリニック9院(男女とも)と、男性専門のゴリラクリニックについて、公式サイトの料金表と施術のページを開き、小さなシミのレーザー(大きさの区分ごと)・顔全体の光の治療・弱いレーザーを顔全体に当てる治療・飲み薬と塗り薬・麻酔の価格と、施術のあとの決まり(保護テープ・洗顔とメイク・かさぶた)を表示どおりに記録した。比較サイトや紹介記事・SNS の数字は使っていない
収集条件
行は、区分ごとに院から価格を1つずつ拾い、区分ごとの最低と最高だけを出した。小さなシミのレーザーは院ごとに大きさの単位が違い(2mm以下・1mm以下・1mm・1mm×1mm・5mmまで・0.5cm角・1か所)、いちばん小さい区分の価格を入れた。聖心美容クリニックは大きさの区分が無く「1か所 5,500円〜33,000円」の表示で、下の額を入れた。顔全体の光の治療と弱いレーザーの治療の「1回」は、初回・トライアルでない価格で、院に複数のメニューがあるときは安い方を入れた(湘南美容クリニックの弱いレーザーは肝斑治療と表示の8,750円、品川スキンクリニックは2回目以降の8,320円)。コースは5回か6回のもの。飲み薬は「30日分」「1か月分」と量が書いてあるものだけを行に入れ、中身(成分の数・1日の量)は院ごとに違う。TCB の飲み薬のセットと品川スキンクリニックのカプセル(60・90)は、何日分かの記載が無いので items にだけ置いた。麻酔クリームは別料金で出している院だけで、範囲(1部位・顔全体)は院ごとに違う。共立美容外科の麻酔クリームと取り放題は、ピコのレーザーのページの症例欄の表示。リゼクリニックには小さなシミのレーザーと弱いレーザーの治療の料金が無く、光の治療の行にだけ入る
表の読み方
価格は各院の公式サイトの表示どおり(税込)です。聖心美容クリニックは税抜と税込を並べて出しており(「()内は税込み」と記載)、税込の方を入れました。品川スキンクリニックの料金表には税込の表記が無く、施術のページの【価格】欄は税込と書いています。TAクリニックとリゼクリニックの料金表には税込・税抜の表記が無く(TAクリニックはピコのトーニングの案内の欄にだけ「税込」)、表示の額をそのまま入れました。ゴリラクリニックは男性専門で、コースは10月31日までの契約に限る10%OFF の後の額です。対象の院が限られる施術があります(TCB の顔全体の光の治療は新宿三丁目院、東京美容外科のピコのレーザーは5院、TAクリニックのシミ取りレーザーは銀座院と大阪院など)。ここにある料金は自由診療(保険適用外)の表示で、回数や効果には個人差があります。
出典
湘南美容クリニック 医療レーザーの料金表(2026-10-15)、湘南美容クリニック シミ取りレーザー・施術後の経過(2026-10-15)、湘南美容クリニック 内服・外用薬の料金(2026-10-15)、湘南美容クリニック 麻酔(2026-10-15)、TCB 料金表(スキンケア・美白・しみ・肝斑)(2026-10-15)、TCB シミのスポット治療(2026-10-15)、TCB 弱いピコのレーザーを顔全体に当てる治療(2026-10-15)、TCB 顔全体の光の治療(2026-10-15)、TCB シミ治療・シミ肝斑セット(2026-10-15)、TCB シミ取りレーザー(全顔)(2026-10-15)、TCB 内服薬の中身(2026-10-15)、品川スキンクリニック シミ・ニキビ・毛穴の料金表(2026-10-15)、品川美容外科 シミ・ほくろ取りレーザー(2026-10-15)、品川スキンクリニック 顔全体の光の治療(2026-10-15)、品川スキンクリニック 弱いレーザーを顔全体に当てる治療(2026-10-15)、品川スキンクリニック 麻酔の料金(2026-10-15)、聖心美容クリニック 美容皮膚科の料金(2026-10-15)、聖心美容クリニック しみ・アザ取りレーザー(2026-10-15)、聖心美容クリニック 肝斑の治療(2026-10-15)、聖心美容クリニック 顔全体の光の治療(2026-10-15)、共立美容外科 肝斑・シミの料金表(2026-10-15)、共立美容外科 ピコのレーザー(2026-10-15)、共立美容外科 顔全体の光の治療(2026-10-15)、共立美容外科 弱いレーザーを顔全体に当てる治療(2026-10-15)、城本クリニック 料金表(2026-10-15)、城本クリニック シミ取り(2026-10-15)、東京美容外科 美肌の料金(2026-10-15)、東京美容外科 薬品の料金(2026-10-15)、東京美容外科 検査・麻酔の料金(2026-10-15)、東京美容外科 料金一覧(初診料・再診料)(2026-10-15)、東京美容外科 ピコのレーザー(2026-10-15)、東京美容外科 顔全体の光の治療(2026-10-15)、TAクリニック レーザー治療の料金(2026-10-15)、TAクリニック シミ取りレーザー(2026-10-15)、TAクリニック ピコのレーザー(2026-10-15)、TAクリニック 内服薬・外用薬(2026-10-15)、リゼクリニック 美肌治療の料金(2026-10-15)、リゼクリニック シミ・そばかす・肝斑治療(2026-10-15)、リゼクリニック 顔全体の光の治療(2026-10-15)、ゴリラクリニック シミのスポットレーザー(2026-10-15)、ゴリラクリニック シミの光治療(2026-10-15)、ゴリラクリニック 弱いレーザーを顔全体に当てる治療(2026-10-15)
元データ
調査データの詳細とCSV

効能・量・飲める期間・注意は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に載っている医療用と市販薬の添付文書の原文から、推奨度は形成外科診療ガイドライン1(2021年版)と美容医療診療指針(令和3年度改訂版)の原文から、院が説明すべき事項は厚生労働省の医療広告等ガイドラインとQ&Aから、編集部が2026年10月15日に確かめて引きました。院の処方の値段は、全国チェーンの院の公式サイトの税込表示を同じ日に記録したものです。薬の商品名は載せていません。薬を勧めたり止めたりする記事ではなく、飲むかどうかは医師か薬剤師と相談してください。この記事に広告は載せていません。 最終更新 2026年10月15日 / 数値確認 2026年10月15日 / 編集方針 / 誤りの指摘