遺品整理 / 制度

遺品整理の業者に要る許可は?どう確かめる?

萬見編集部 /公開 2026年10月2日 /更新 2026年10月8日 /確認 2026年10月2日

遺品整理で要る許可は、運ぶ許可と買う許可の2つ

親の家を片付けるために、遺品整理の業者を探している。 どの記事にも「許可のある業者を選ぶ」と書いてあるが、何の許可を、どこで確かめればよいのかが分からない。

まずは下の表で、許可の種類と確かめ方を押さえよう。

許可の種類何ができるかどこが出すか確かめ方
一般廃棄物収集運搬業家庭から出た不用品を運ぶ実家のある市区町村市区町村の許可業者の名簿
古物商遺品を買い取る都道府県の公安委員会公式サイトの許可番号、許可証
産業廃棄物収集運搬業会社や工場のごみを運ぶ都道府県知事家庭のごみには使えない
遺品整理士許可ではなく、資格一般財団法人許可とは別に聞く

廃棄物処理法・古物営業法の条文と、環境省・遺品整理士認定協会の公式サイトを、編集部が2026年10月2日に確かめて作った。

片付けで出たごみは「一般廃棄物」です。法律は、事業活動で出た燃え殻や廃プラスチックなどを産業廃棄物とし、それ以外の廃棄物を一般廃棄物と呼んでいます(廃棄物処理法2条2項・4項)。

家のごみを運べるのは、一般廃棄物の許可か市区町村の委託を受けた業者です。環境省は、産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では家庭の廃棄物を回収できないと案内しています。業者のサイトに許可が並んでいたら、「一般廃棄物」の文字を探そう。

遺品整理士は、許可ではなく資格

「遺品整理士在籍」は、許可とは別の話です。遺品整理士は、国や自治体ではなく、一般財団法人遺品整理士認定協会が認定する資格です。2か月の通信講座で課題を出して取ります(協会のよくある質問)。

廃棄物の法律を学んだ人がいる目印にはなります。ただ、市区町村や公安委員会が出す許可の代わりにはなりません。資格の有無とは別に、2つの許可を聞こう。

ごみを運ぶ許可は、実家のある市区町村のもの

一般廃棄物を集めて運ぶ仕事には、その仕事をする区域の市町村長の許可が要ります(廃棄物処理法7条1項)。 横浜の実家のごみを運ぶなら、横浜市の許可が要るということです。業者の本社がどこにあっても変わりません。

条文を読んでみると、この許可は誰でも取れるものではありませんでした。市町村長は、市町村が自分で集めて運ぶのが難しいと認めるときでなければ、許可を出せません(7条5項1号)。集めてよい区域や条件を付けることもできます(7条11項)。

横浜市の名簿を開いてみると、収集運搬業の許可業者の一覧(2026年9月1日現在)とは別に、「品目限定」の一覧がありました。同じ許可業者でも、運べる物が限られた許可があるということです。

「◯◯市 一般廃棄物 収集運搬 許可業者」で検索して、実家のある市区町村の名簿を開こう。社名が載っているか、品目が限られていないかまで見ておこう。

アドバイス

名簿は、実家のある市区町村のものを見よう

業者の本社がある市の名簿に載っていても、実家が別の市なら、その許可では実家のごみを運べない。ごみを積むのは実家だから、実家の市区町村の名簿を開こう。名簿に社名が無くても、許可業者と組んで運ぶ形なら頼める。次の節の聞き方で確かめよう。

許可の無い業者は、許可業者に運ばせる。電話でこう聞こう

遺品整理の業者が自分で許可を持っていなくても、頼めないわけではありません。

横浜市は、遺品整理の業者が許可を持っていないときは、許可業者に不用品の処分を頼むよう案内しています。そのとき契約するのは、不用品を出す人と許可業者です。遺品整理の業者に、この契約を任せることはできると、同じページにあります。 実家が別の市区町村なら、そこのごみの担当課のページも見ておこう。

許可業者は、引き受けた運搬をさらに別の会社に任せてはいけません(7条14項)。運ぶ会社の名前さえ分かれば、名簿で確かめられます。

見積りの電話では、「家のごみは、どこの市区町村の、どの会社の許可で運びますか」と聞いてみよう。答えは3つに分かれます。

「自社で、◯◯市の許可を持っています」

その市が実家と同じか、名簿に社名があるかを確かめよう。

「◯◯市の許可業者の△△社が運びます」

許可業者と組む形です。△△社が、実家のある市区町村の名簿に載っているかを見よう。

「産業廃棄物の許可があります」「古物商なので」

どちらも、家のごみは運べない許可です。この答えなら、ほかの業者に見積りを頼もう。

業者を探すところからなら、遺品整理はいくらかかる?の業者一覧から2社以上を選び、同じ質問をしてみよう。

アドバイス

運ぶ会社の名前を、見積書に書いてもらおう

「許可業者に頼みます」という口約束だけでは、当日に誰が運ぶのか分からない。見積書か契約書に、運ぶ会社の名前と、許可を出した市区町村を書いてもらおう。書いてあれば、名簿と照らし合わせられる。

遺品を買い取るなら、古物商の許可

遺品を買い取って料金から引く業者には、古物商の許可が要ります。中古品を売り買いする営業は、都道府県の公安委員会の許可を受けなければなりません(古物営業法2条2項1号・3条)。

許可番号は、まず公式サイトの会社概要やページの下の方で探そう。古物商は、名称・許可をした公安委員会・許可証の番号を自社のサイトに載せる決まりです(12条2項)。

除かれるのは、常時使う従業者が5人以下の場合と、サイトを持たない場合です(古物営業法施行規則13条の2。ネットで古物を売り買いする古物商は除かれません)。サイトに番号が無いだけでは、無許可とは言えない。電話で公安委員会の名前と番号を聞き、家に来た人には許可証か行商従業者証を見せてもらおう(古物営業法11条3項)。

番号の照らし合わせ方は買取店の古物商許可はどう確かめる?に、買取のときの注意とクーリング・オフは遺品整理で買い取ってもらうには?手順と注意にまとめました。買い取れる物がありそうなら、見積りの前に読んでおこう。

無許可の回収に頼むと、何が起きるか

環境省は、無許可の回収業者に引き渡すと、法を守った処理がされたかを確かめられないと説明しています。

報告されているのは、回収された家電や粗大ごみの不法投棄、家電を壊したときのフロンガスや鉛の流出、ためた不用品からの火事、高額な料金の請求です(環境省、横浜市)。

許可なく一般廃棄物の収集や運搬を業として行った者は、5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、またはその両方です(廃棄物処理法25条1項1号)。罰を受けるのは業者の側です。頼む側にできるのは、出す前に許可を確かめることです。

アドバイス

巡回の回収車やチラシの業者には、出さないでおこう

環境省は、町中を大音量で回る、空き地で集める、チラシを配る、ネットで広告する、の4つを無許可の回収業者の例に挙げている。実家の前を回収車が通っても、遺品は出さないでおこう。ネットで見つけた業者でも、名簿で確かめてから頼めば大丈夫だ。

見積りの前に確かめる4つ

電話をかける前に、次の4つをメモしておこう。

  • 実家のある市区町村の、一般廃棄物収集運搬業の許可業者の名簿
  • 「家のごみは、どこの市区町村の、どの会社の許可で運びますか」への答え
  • 運ぶ会社の名前と、許可を出した市区町村が書かれた見積書
  • 買取があるなら、公安委員会の名前と古物商の許可番号
この記事の結論

遺品整理の業者には、どんな許可が要りますか

運ぶ許可と買う許可の2つです。家庭の不用品を運ぶには実家のある市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可(廃棄物処理法7条)、遺品を買い取るには古物商の許可(古物営業法3条)。遺品整理士は資格で、許可ではありません。

気になったら

遺品整理がいくらになるか、無料で査定だけ頼めます

査定だけ頼んで売らなくてもかまいません。多くの店が査定料とキャンセル料を無料と書いています。頼む前に、型番・製造番号・搬出経路の3つを控えておくと、回答の幅が狭まります。

よくある質問

自分で運んで、市のごみに出すなら許可は要りますか

許可が要るのは、ごみの収集や運搬を「業として」行う者です(廃棄物処理法7条1項)。家族が実家のごみを、市区町村の決まった出し方で出すのは、業として行うものではありません。粗大ごみの出し方や持ち込みの受付は市区町村ごとに違うので、先に市区町村のサイトで確かめよう。

許可業者に、遺品整理ごと頼むことはできますか

できます。横浜市は、遺品整理や片付けをしている一般廃棄物収集運搬業の許可業者もいるので、遺品整理と不用品の処分を一緒に頼めると案内しています。実家のある市区町村の名簿から社名を拾い、遺品整理もしているかを各社のサイトで確かめよう。

業者のサイトに許可証の写真があれば、それで確かめたことになりますか

一般廃棄物収集運搬業の許可は、2年ごとに更新を受けないと効力を失います(廃棄物処理法7条2項、同法施行令4条の5)。写真だけでは、今も有効か、実家のある市区町村の許可かまでは分かりません。その市区町村の新しい名簿に社名が載っているかを、あわせて確かめよう。

古物商の許可は、公安委員会の一覧で確かめられますか

ネットで古物の取引をする古物商については、公安委員会が名称・URL・許可証の番号を公開しています(古物営業法8条の2)。ネットで取引しない古物商は載らないので、一覧に無いだけで無許可とは言えません。照らし合わせ方は「買取店の古物商許可はどう確かめる?」にまとめました。

テレビや冷蔵庫も、同じように運んでもらえますか

テレビ・エアコン・冷蔵庫と冷凍庫・洗濯機と衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象で、引き渡すときにリサイクル料金と収集運搬料金が要ると環境省は案内しています。料金を払うと家電リサイクル券が出て、その番号でメーカーに引き渡されたかを確かめられます。業者に頼むなら、券の番号を教えてもらおう。

注記

法令の条文(e-Gov)と、環境省・横浜市・遺品整理士認定協会の公式ページを、編集部が2026年10月2日に確認して書きました。個別の業者が許可を持っているかは、実家のある市区町村の担当課に確認してください。 最終更新 2026年10月8日 / 数値確認 2026年10月2日 / 編集方針 / 誤りの指摘