買取全般 / 制度

買取店の古物商許可はどう確かめる?

萬見編集部 /公開 2026年9月9日 /更新 2026年10月8日 /確認 2026年9月9日

許可を出すのは警察署ではなく公安委員会

買取を頼む店が、本当に許可を受けているのか気になる。 どこを見て、何と照らし合わせればよいのか。

どこで何を見る条文
店の入り口標識の許可証の番号古物営業法12条1項
店のサイト名称・公安委員会名・番号12条2項
公安委員会の一覧番号と名称が載っているか8条の2第1項
自宅に来た査定員許可証か行商従業者証11条3項

条文から作成。

中古品を買い取る営業は「古物営業」にあたり、都道府県公安委員会の許可が要ります(古物営業法2条2項1号・3条)。申請は主たる営業所を管轄する警察署長を経由しますが(施行規則1条の3第2項)、許可を出す主体は公安委員会です。

店の入り口の標識

古物商は営業所ごとに、公衆の見やすい場所(通達の解釈では営業所の入り口など。解釈運用基準 第11の1)へ、定められた様式の標識を掲示する義務があり(12条1項)、掲示しなければ100,000円以下の罰金の対象です(35条2号)。

様式は施行規則11条・別記様式第13号で、警視庁の説明では縦8cm×横16cm、紺色地に白文字です。上段に許可証の番号、中段に取扱区分(「道具商」など)、下段に氏名または名称が入り、公安委員会名は入りません。店に行ったら、上段の番号を控えておこう。

営業所に掲示する標識の3段構成。寸法と色は警視庁の説明による(施行規則 別記様式第13号)
営業所に掲示する標識の3段構成。寸法と色は警視庁の説明による(施行規則 別記様式第13号)

店のサイトの表示

2024年(令和6年)4月1日施行の改正で、古物商は自社サイトに「氏名又は名称」「許可をした公安委員会の名称」「許可証の番号」の3点を表示する義務を負いました(12条2項)。免除は、常時使用する従業者が5人以下の場合と、管理するサイトを持たない場合だけです(施行規則13条の2)。5人以下の店はサイトがあっても免除されるので(解釈運用基準 第11の2(4))、番号が無いだけで無許可とは決められません。

ネットで古物の取引の申込みを受ける店(URLを届け出た「特定古物商」)には5人以下の免除がなく、3点の表示が要ります(12条2項括弧書・3項)。通達はトップページからリンクした先での表示も認めているので(第11の3)、トップに無ければリンク先まで見よう。

サイトに表示が求められる3点(古物営業法12条2項)。番号は「第」と「号」を除いて12文字
サイトに表示が求められる3点(古物営業法12条2項)。番号は「第」と「号」を除いて12文字

許可番号は「第」と「号」を除いて12文字

編集部が東京・埼玉・千葉・神奈川・大阪・奈良・香川の7つの公安委員会の一覧で番号を見比べたところ、許可証の番号は「第」と「号」を除くと12文字でした(「第」「号」を付けない一覧もあります)。ただし大阪府の一覧には「第62101R○○○○○○号」のように英字Rを含む番号が多数あり、全部が数字とは限りません。先頭2桁は東京30・埼玉43・千葉44・神奈川45・大阪62・奈良64・香川81と、公安委員会ごとに違っていました。

断っておくと、これは一覧を並べて観察した結果です。桁の構成(先頭2桁が都道府県を表す、といった説明)を定義した公的資料は確認できませんでした。見るのは、12文字であることと、先頭2桁が上の対応と合うことの2点で、合わなくてもそれだけで無許可とは決められません。合わないときは、次の一覧で照らし合わせよう。

番号は各公安委員会の一覧と照合できる

公安委員会は、ネットで古物取引を行う古物商について「氏名又は名称」「URL」「許可証の番号」をウェブで閲覧できるようにする義務があります(8条の2第1項)。各公安委員会の「古物商URL届出一覧」がこれで、見た番号をここで照らし合わせます。

集めてみたら、公開の形は委員会ごとにばらばらでした。

  • 東京都: PDF(2026年9月時点で564ページ)。公安委員会のサイトにある
  • 埼玉県: 50音別のページと番号検索(2026年8月31日更新)
  • 千葉県: ページ送り式の一覧
  • 神奈川県: PDF(437ページ、2026年7月30日更新)
  • 大阪府: 許可証番号で検索できる
  • 奈良県: 50音別の10本のPDF(2026年5月14日更新)。県警サイト内の公安委員会のページ(URLに /kouaniin/)にある
  • 香川県: PDF(令和8年6月現在)

載っていなくても、無許可とは限らない

この一覧はURLを届け出た店だけを載せたもので、全許可業者の名簿ではありません。サイトを持たない店や、サイトはあってもネットで取引の申込みを受けない店は載りません。

東京都・埼玉県・奈良県は「掲載までに期間がかかるため、載っていなくても直ちに無許可や古物営業法違反とは限らない」という趣旨の注意書きを置いています。東京都・埼玉県・大阪府の一覧には「掲載されていても取引の信用性を保証しない」という趣旨の注意書きもあります。

埼玉県公安委員会は、許可情報の電話での問合せには答えないと明記しています(他の公安委員会は確認していません)。警察庁のサイトにも全国横断の許可業者検索は見当たらず(編集部の確認範囲)、民間の「全国検索」サイトは警察庁の公式データベースではありません。

アドバイス

一覧に無ければ、店に番号を聞こう

一覧に載っていないことは、許可証を見せてもらう理由にはなるが、無許可の証拠にはならない。店に、許可をした公安委員会と許可証の番号を聞こう。出張なら、当日に許可証を見せてもらえばよい。

出張買取では、許可証の提示を求めてよい

自宅に来た査定員に、許可証を見せてくださいと言ってかまいません。出張買取は法律上の「行商」にあたり、古物商本人は許可証を、従業者は行商従業者証を携帯する義務があり(11条1項・2項)、取引の相手から求められたら提示しなければなりません(11条3項)。相手の住所での売買は、通達で「行商」に含まれています(解釈運用基準 第5の3(1)・第10)。

注意が要るのは罰則です。35条2号が11条について掲げているのは、携帯義務(1項・2項)の違反だけで、提示義務(3項)の違反は刑罰の条文に入っていません(行政処分の対象になるかは確認していません)。「提示を拒めば罰金」と書いてある記事は、条文と合いません。

自宅か営業所以外での買取は、店の違反

古物商が古物を受け取れるのは、営業所か取引相手の住所・居所に限られます(14条1項)。「近くのカフェで」「駅前で」と呼び出して受け取る形は、事前に日時・場所を届け出た仮設店舗でない限り14条1項に反し、違反した古物商は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です(32条)。罰則の対象は店の側で、売る人ではありません。

アドバイス

許可証を見せてもらえなければ、その日は売らないでおこう

提示を断っても罰金は無いので、断られたときに売る側にできるのは、その場で売らないことだ。自宅以外の場所に呼び出されたときも、その日は売らないでおこう。見せてもらえたら、番号を控えて一覧と照らし合わせればよい。

無許可の営業は3年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金

無許可で古物営業を営んだ者は、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(31条1号)。不正な手段で許可を受けた者も同じです(31条2号)。2025年(令和7年)6月1日施行の改正で「懲役」が「拘禁刑」に改められたので、「3年以下の懲役」と書いてある記事は現行の表記ではありません。

警察庁の統計では、令和7年末の古物商の許可件数は614,118件、同年中の古物営業法違反の検挙は19件12人で、うち無許可営業は7件7人でした(警察庁「古物営業・質屋営業の概況」)。検挙されていない無許可営業がどれだけあるかは、この統計からは分かりません。取り締まりを当てにせず、売る前に自分で番号を確かめよう。

売る前に、番号・一覧・許可証の順に確かめる

  1. 店のサイトで名称・公安委員会名・許可証の番号(12文字。大阪は英字Rを含むことがある)を探す。トップページに無ければリンク先も見る
  2. 番号の先頭2桁が公安委員会名と合うか見る(対応は7都府県のみ。合わなくても無許可の根拠にはならない)
  3. その公安委員会の「古物商URL届出一覧」で、番号と名称を照らし合わせる
  4. 一覧に無ければ、出張時に許可証か行商従業者証の提示を求める(11条3項)
  5. 自宅か営業所以外の場所を指定されたら、その日は売らない(14条1項)
この記事の結論

買取店が正規の店かどうかは、どこで確かめられますか

店頭の標識には許可番号を出す義務があり、自社サイトにも原則として出します(古物営業法12条)。番号は「第」と「号」を除いて12文字。控えておき、公安委員会の一覧と照らし合わせよう。

気になったら

ピアノがいくらになるか、無料で査定だけ頼めます

査定だけ頼んで売らなくてもかまいません。多くの店が査定料とキャンセル料を無料と書いています。頼む前に、型番・製造番号・搬出経路の3つを控えておくと、回答の幅が狭まります。

よくある質問

数千円の少額なのに、身分証の提示を求められました。必要なのですか

古物営業法15条1項の義務で、対価の総額が1万円未満なら原則不要です(15条2項1号、施行規則16条1項)。ただしゲームソフト・CD・書籍など金額に関係なく確認が要る品目があります(施行規則16条2項)。品目の一覧と使える書類は関連記事「買取で本人確認が必要なのはなぜ?」にまとめたので、持ち込む前に見ておこう。

一覧に載っていない店がありました。届け出てから載るまで、どれくらいかかりますか

警察庁の通達は、古物商からURLの届出があった日から20日以内に一覧を更新するよう求めています(解釈運用基準 第7の2)。合理的な理由による遅れは許容されているため、届出直後の店は載っていないことがあります。載っていなければ、店に許可をした公安委員会と許可証の番号を聞いてみよう。

許可のある店なら、信用してよいのですか

許可は営業の条件で、取引の信用を保証するものではありません。警察庁の統計では令和7年中の古物営業に関する行政処分が874件(取消し11件、営業停止8件、指示855件)あり、法令違反で盗品流通の防止が著しく阻害されるおそれがあれば、公安委員会は許可の取消しか6か月以内の営業停止を命じられます(24条1項)。許可を確かめたうえで、見積りや書面の中身も見ておこう。

標識の中段にある「道具商」は何のことですか

その営業所で取り扱う古物の区分です。区分は許可の申請で営業所ごとに書くもので(古物営業法5条1項3号)、施行規則2条が13に分けていて、楽器や家具は「道具類」、時計や貴金属は「時計・宝飾品類」、本は「書籍」です。標識の区分が売りたい物と違って気になるときは、扱っているかを店に聞いてみよう。

知らずに無許可の店に売ってしまいました。売った私も罰せられますか

古物営業法31条1号の罰則(3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)が向けられているのは、許可を受けずに古物営業を営んだ者で、売った人ではありません。売った日・店名・品物・金額と、相手の連絡先はメモに残しておこう。無許可の営業だと分かったら、警察相談専用電話の#9110に伝えよう。

注記

法令の条文と官公庁のページを編集部が確認して書きました。個別の事情に関わる判断は、消費生活センターまたは警察に確認してください。 最終更新 2026年10月8日 / 数値確認 2026年9月9日 / 編集方針 / 誤りの指摘